電車のお客様の為に少し進んだお店の時計が夜7時40分を指しガラガラとお店のシャッターを閉めた後、
「よし、今日だな!」
って気持ちが湧き上がってくることがあって、そんな日は夜の熱海をふらふら〜っと歩きます。
もともと好きな街歩き。知らない街は新しい出会いがあり、慣れ親しんだ街は忘れてた懐かしさに触れられる、そんな魅力があるのですが、
夜の熱海はまた別の惹きがあるように思います。
チカチカと心もとない街灯や獣の気配に
心細くなるような田舎ではなく、
かと言って煌びやかなネオンや酩酊した人影にそっと目を背ける都会でもない。
夜は宿での時間を楽しむ人々が多い観光地の性質を持つ熱海。
日暮と共に商店街の灯りも消え、疎な人影も暗がりに溶け込んでいて目を凝らさないと見つからない静かな夜がやってきます。
そんな中爛々と輝くファミレスチェーンやコンビニエンスストアは精巧に作られた舞台セットのようで摩訶不思議な気持ちにさせてくれます。
(入ったことはないけど外観が大好きなファミレス)
(ゲームの最終面のようなムーンテラス)
そんな中先日、いつもは1人で歩く夜のサンビーチを友人と散歩する機会がありました。
夜とは言え真っ盛りの海
階段にしっとりと腰掛けるカップルや
仲間と花火を楽しむ学生達でいつもの不思議な静けさはなく、どことなく浮ついた空気が漂います。
愛を囁くでもなく、花火を振り回すでもない僕たちには持て余す空間だったのですが、
「海はいろーよ」
思ってもみなかった友達からのナイスな提案にすぐさまのっかり、靴を脱ぎズボンの裾をたくし上げます。
淡いブルーにライトアップされたビーチ、
素足から伝わる砂や波の感触、友達の笑顔。
背景としてだけ楽しんでいた街歩きに没入する魅力を教えてもらえた経験でした。
わた