猫派とコーヒー

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そして、犬と猫。

僕たちは古代ギリシャの哲学者なんかじゃなくても、ありふれた討論には自分の立場を持っていて、いざとなったら対立派を言いくるめてやろうと自分なりの論述も持っています。

僕は”吹き替え派”の”パン派”の”たけのこ派”なのですが、ここ数年で”猫派”が揺らいできています。

それと言うのも、普段猫と2人で暮らしていて彼らには愛着しかないのですが、どーもうちのは猫のふりをした犬なのではないかと思うところが多く、一般的な猫の良さと言う点ではハテナが付きます。

名前を呼ぶと「待ってましたっ」と言わんばかりに駆けつけきて、くでーんとお腹を見せて遊びやご飯を求めてくる。

飼い主だけならまだしも、家に来てくれた友達や最近だとエアコンの取り付け業者の方なんかにもスリスリする始末でして…。

猫と一緒に暮らす前は漠然と冷たい性格のイメージを持っていましたが、いざ触れてみると全く違っていて、一般論を何となくで自分の意見に当てはめるのは勿体ないなぁと感じました。

そう言う意味ではコーヒーも猫と似ているように思います。

どれも同じで苦いと避けていたコーヒーを初めて「お、いいかも」感じたのは23歳の時でした。

当時は東京の(おおよそ東京と思えない大自然の)秋川渓谷という場所にあるキャンプ場で働いていており、

午前中のチェックアウトと午後のチェックインの波が落ち着く15時くらいにスタッフみんなでコーヒーを飲む時間がありました。

渓流のせせらぎと先程案内を済ませた家族が川遊びをする声などが絡み合ってこだまする木漏れ日のテラス。

コーヒー好きのオーナーが淹れてくれる一杯はひと仕事終えた時間と気持ちの切れ目にするするっと入り込んでくる魅力がありました。

それまでは甘いジュースの方が美味しく、苦いコーヒーをわざわざ口にすることはありませんでしたが、その苦味が沁みるシチュエーションもあるのだと好きになるキッカケをくれた経験でした。

皆様の中にも街中や友達の家の猫に逃げられたり、初めて口にしたコーヒーの苦味がダメだったりで以降手を付けずの方も多いかとも思います。

ハマればいい距離感で人生の依代になってくれる猫とコーヒー。

まずは猫カフェやウインナーコーヒーなどから試されてはどうでしょうか? 

                 わた